テレキャスター・バハ


前回に続いて、テレキャス1号機、Fender Classic Player Baja Telecasterを紹介します。
1951年当時のBroadcasterの外観が忠実に再現されています。ボディーは1ピース・アッシュ、メープル・ネック、指板もメープル。色は、バタースコッチ・ブロンド(薄いクリーム色)です。バハ・カリフォルニア州で作られているので「バハ=Baja」というネーミングになっています。私のテレキャス1号機は4.5㎏ほどありかなり重いです。木目が詰まった重いアッシュ材が使われているようです。アッシュというのは日本でバットの材料になるアオダモの仲間のようです。バットと言えば、Telecaster Bajaのネックは断面がソフトVシェイプでネックの背中が盛り上がっており、握った感じがガッチリ太いです。外観は初期の頃のモデルを意識していますが、電装系は工夫が施されています。
テレキャスは通常、二つのピックアップを次の3通りに切り替えることができます。
① Position 1: ブリッジPU
② Position 2: ブリッジPU+ネックPU
③ Position 3: ネックPU
Telecaster Bajaでは、4点切替スイッチとS-1スイッチの組合せでさらに3つのトーンが出せます。
④ Position 4: ネックPU+ブリッジPU(2つのシングルコイルPUを直列で繋ぎ、全体をハムバッカーにしたようなもので通常の配線より出力が大きい)
そして、ボリュームコントロールノブに付いているS-1 スイッチを押し下げると、
⑤ Position 2: ブリッジPU+ネックPU(ハーフトーン)
⑥ Position 4: ブリッジPU+ネックPU(ハーフトーン)
多彩なトーンが出ますが、好みからすると、リズムは②か③で、ソロは①か③で弾くことが多いと思います。テレキャスの音色をたとえて「鈴が鳴るようなトーン」(勝手に想像するに自転車のベルの音)とよく言われますが、ブリッジ+ネックPUでカッティングするとまさにそのイメージです。バンド全体のバランスの中でも埋もれることなく聴こえます。
ブリッジPUですが、耳にやさしい高音という感じです。PUの特性でしょうか、全体に中音域が強く、まとまりの良い音というイメージです。ハーフトーンですが、ちょっと雰囲気を変えたいような時にたまに使う程度です。ハーフトーンを出すなら、やはりストラトでしょうし、まず、レパートリーにハーフトーンが必要な曲がありません。
その他の特徴としては、若干ノイズを拾いやすい点でしょうか。しかし、リペアの方によれば、ノイズの原因の一つ人間の静電気はその人の体調で大分変ってくるそうです。
後は、1-ply(1枚もの)のピックガードが反り返ってしまい、ボディとの間に隙間ができてしまう点です。私のTelecaster Bajaもピックガードが反ってしまい、3-plyのタイプに交換しました。
それから、以下は好みの話ですが、サドル・ブリッジとブリッジ・プレートをGlendale Guitars社製のものに交換しました。Glendale Guitars社は、サドル・ブリッジやブリッジ・プレートに特化したアメリカのメーカーです。下の写真のように、サドルを弦に対して直角ではなく、少し角度を付けることで、オクターブ調整が合いやすくなっています。また、サドルの材質によって音色が変わるそうですが、元々Telecaster Bajaには真鍮製のサドルが付いており、交換したGlendale製もサドルは真鍮製だったため音色に変化は感じられませんでした。アメリカにも家内工業的な拘りのあるメーカーがあることを知りました。 堀田俊一