フェンダーとメキシコ


愛器の紹介から。まず、テレキャス1号機、Fender Classic Player Baja Telecasterです。
70年ほど前にBroadcasterの名前でソリッドボディーのエレキギターを世に送り出したFender社はメキシコとは切っても切れない関係にあります。Fenderは米国カリフォルニア州コロナと国境を挟んだメキシコ側のエンセナーダにそれぞれ工場を持ち、メキシコのバハ・カリフォルニア州のエンセナーダ工場で製造されているのが普及版のFender Mexicoブランド。高級ブランドを設計するFender Custom Shopのマスタービルダー(名工達)の一人、クリス・フレミングがエンセナーダ工場の量産ブランドのためにデザインしたのがTelecaster Bajaです。写真を載せます。一緒に写っているのはFender Vibro Champ XDです。ライブで使ったことはありませんが、家では十分過ぎるほどの音量が出ます。SANYO DIGITAL CAMERAさてギターですが、1951年当時のBroadcasterの外観が忠実に再現されているそうです。ボディーは1ピース・アッシュ、メープル・ネック、指板もメープル。メキシコのバハ・カリフォルニア州で作られているので「バハ=Baja」というネーミングになっています。私のテレキャス1号機は4.5㎏ほどありかなり重いです。木目が詰まった重いアッシュ材が使われているようです。アッシュというのは日本でバットの材料になるアオダモの仲間のようです。バットと言えば、Telecaster Bajaのネックは断面がソフトVシェイプでネックの背中が盛り上がっており、しっかり握れる感じですが、全体に太く野球のバットのような感覚なので「ベースボール・バット・ネック」と呼ばれることがあるそうです。バハとは「下」という意味で、日本の下北沢は「バハ・キタザワ」といったところでしょうか。バハ・カリフォルニアはいわゆるカリフォルニア半島です。因みにこの辺りの太平洋沿岸では春になるとクジラが見られます。ついでにバハの反対はアルト/アルタ(上、高い)。アルタ・カリフォルニアという場所もありましたが、今の米国カリフォルニア州にあたる場所です。170年ほど前にメキシコはアメリカとの戦争に負けて、カリフォルニア、ネバダ、コロラドなど国土の1/3をアメリカに取られてしまったのです(テキサスも元々メキシコ領でしたが既にメキシコから独立していました)。ところで、メキシコ人は 「底抜けに明るいラテン系」と思われることが多いですね。確かに明るいかもしれませんが、実はその表情にはちょっと影があり、どこか愁いを帯びたところがあるんです。
中途半端なところで終わってしまいましたが、次回はTelecasterの出音などをご紹介しましょう。  堀田俊一